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琵琶湖博物館研修会~釣り人による清掃活動番外編

2017/3/11(土)。滋賀県草津市にある琵琶湖博物館に、釣り人による清掃活動のメンバ-が集まりました。

目的は、学芸員の方および県職員の方に琵琶湖博物館をご案内いただき、琵琶湖をとりまく環境や生息する生き物について、また滋賀県の取り組みや水産事業についてご教示いただくことです。

この研修会は、キムケンさんのご提案から企画が始まりました。また、長年にわたり琵琶湖と向き合ってきたdepsの奥村社長も参加してくださいました。

今回も年度末の大変お忙しい時期にもかかわらず、ウォーターステーション琵琶の武田さんに学芸員の方や職員の方をご紹介いただき、研修会の内容もすべて企画していただいたうえに、当日もいろいろとご説明いただきました。
いつも本当にありがとうございます!

 

琵琶湖博物館のテーマは「湖と人間」。

人はもちろん、さまざまな生き物の営みと密接に関わっている琵琶湖。湖上で釣りをしながら変化を感じることはありますが、知らないことがたくさんあるはずです。

館内はとても広いのですべてを見て回ることは難しく、2階C展示室の「湖のいまと私たち」からスタートしました。

このゾーンは、琵琶湖博物館学芸員の澤邊(さわべ)さんにご案内いただきました。

 

こちらの床は、琵琶湖から大阪湾まで、約20年前に撮影した航空写真。当時は大変な労力がかかったそうです。

自宅やボートハウスを探したり、いまの琵琶湖と比べたり。記録がちゃんと残されているおかげで、時の流れと変化を実感できます。

琵琶湖から、瀬田川、宇治川、淀川、そして、大阪湾へ。
人や生き物の暮らしを支える水が運ばれています。

 

続いて、ヨシ原の世界。

水ヨシと、それよりも背丈のある陸ヨシの違いがわかるように展示されています。

ヨシは地域のお祭りの松明や伝統的なヨシ葺き屋根にも使われています。

ヨシ葺き屋根の寿命は40年くらいで、水がしみこまないようにするのが職人さんの腕の見せ所だそうです。近年はヨシが減少してしまい入手するのが難しくなっています。

こんなかっこいい照明にも!

澤邊さんのお話では、かつては山林から田んぼ、ヨシ原、琵琶湖までがひとつづきの湿地帯のようになっていたけれど今はそれが分断され、ヨシも生育しにくい環境になっているそうです。ヨシを増やすための取り組みも行われています。

展示のあちこちに、「におってみよう」と「におい」推し!笑

スギ花粉の巨大模型も。

カワウの重さと、一日に食べる魚の量も体感できます。カワウは魚の居場所をよく知っていますよね。

 

1890年代の琵琶湖周辺の湿地の地図と、現在の地図を比較できるコーナー。埋め立てられて西の湖が小さくなり、その近くにあった大きな湖もなくなっていることがわかります。

釣り人としてはやはり、失われた湖を惜しまずにはいられませんでした。

ほかにも展示物が盛りだくさんで、観ていくだけであっという間に時間が経ってしまいます。

 

 

続いて、魚類専門の金尾さんに水族展示室をご案内いただきました。

こちらの水槽では、水面の高さが大人の目の高さに合わせられています。以前は水槽の外にヨシを展示していましたが、水槽の中に入れたことで魚が産卵しようとしたり、実際の琵琶湖に近い環境になったそうです。コイがヨシをなぎ倒してしまうので、突進しないように柵ももうけられています。

琵琶湖に通う釣り人は日々、琵琶湖の水位や放水量を気にしていますし、魚の産卵に与える影響もご存知の方は多いでしょう。
実際、現在は自然の摂理に反して、冬に水位を上げて、逆に夏には下げているので、魚の産卵に悪影響があるそうですが、流域の人々の暮らしに必要な水を確保するためにそうせざるをえないそうです。
水位を操作する権限も滋賀県ではなく国が持っていて、滋賀県だけの都合で操作できないようになっています。

その他にも、魚の産卵パターンは大きくわけて5種類あるとか、漁法の解説とか、専門家ならではの解説を伺うことができました。

琵琶湖博物館を訪れたのが初めてというのは参加メンバーの中で私だけだったのですが、個人的にこみあげるものがあったのは、やはり、この展示です。

オオクチバス。

その上には。

「連れてこられた生き物たち」

 
もちろん迷惑な存在なのでしょうが、ことさらに悪者扱いされているわけではありませんでした。先入観のあまり、今まで足を運ばなかったことを後悔しました。

 

清掃活動を通じてコハクチョウを愛する会の方とつながることができ、鳥たちへの関心も以前より高まりました。

 

澤邊さんと金尾さんにはランチタイムもおつきあいいただき、わたしは初めてブラックバスを食べました。バスとビワマスを揚げた「湖の幸の天丼」。くさみもなく、あっさりした味。美味しくいただきました。

鮒寿司を試食しつつ、金尾さんを囲んで魚や釣りトークに花が咲いていました。時間が全然足りないほど。

こちらのテーブルも、澤邊さんがビワマス釣りで爆釣した話や美味しいビワマス親子丼の話で盛り上がりました。
 

 

午後からは会議室に移動して、琵琶湖博物館の取り組みや滋賀県の水産事業についてお話を伺いました。

民間企業出身というご経歴にはじまり、アメリカでの釣りの経験や、環境学習センターをぜひ活用してください、というお話をしてくださった山本さん。

琵琶湖博物館では、さまざまな情報発信やボランティア活動の支援、環境学習教材の貸し出しなども行われています。

 

続いて、実はかつて外来魚の駆除を担当していたという山本さんにバトンタッチして、琵琶湖の環境や水産事業について写真やデータを示しながらご説明いただきました。また、ご専門の冷水病や鯉ヘルペスについても解説してくださいました。

 

80年代には琵琶湖での鮎の漁獲量が一番増えていますが、これは漁具や漁法の進歩も関係しているそうです。

琵琶湖の水中の温度。夏は表層と底の温度差が激しいのがわかります。

 

そして、避けては通れぬ外来魚駆除の取り組みについても。

ここで

「バスは減ってますか?」

というご質問をいただき、こちらからは「実感として、南湖で大きなバスは減って釣れにくくなった」という意見が出ました。

さらに、原因不明だけど雷魚が大量に死んでいたことがあったとか、湖上で実際に経験したことをお伝えしたり、今後たとえば調査活動や、減少しつつある漁師さんをなんらかの形でサポートするとか、釣り人が協力できることはないだろうか、などの意見交換も行われました。

一日を通して、琵琶湖博物館の皆様がバスアングラーである私たちにとても気を遣ってお話ししてくださっていることがひしひしと伝わってきて、本当にありがたかったです。

長時間にわたってご説明いただき、ありがとうございました!
時間がまったく足りないほど夢中になって拝聴しました。

今後、学芸員の方や職員の方にもご協力いただいて、琵琶湖博物館でのイベントも企画したいという意見も出ました。ぜひ実現したいです。

琵琶湖博物館のチケットにも書かれています。

っくり

くわく

んにちは

(タテに読むと琵琶湖!)

驚きや興奮とともに、知的好奇心を満たしてくれる琵琶湖博物館。

今後、もっとお互いに知る機会が増えるとうれしいです。

みなさまも休日は、ぜひ。琵琶湖博物館へ!